皆さん、こんにちは。
老川です。
今回のブログでは今回新しくリリースする
「ジャパニーズベルモット AKA ONI ROSSO」
について開発ストーリーなどを書いていきたいと思います。
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※開発に2年かかりました。
まず先にお伝えしたいのですが、今回弊社で手掛けたベルモットは
ライスベルモットつまり、お米原料のお酒を使用して製造しています。
そもそも、ベルモットってなんですか?
という方も多いかと思います。
ざっくりと説明すると、ワインをベースにハーブやスパイスなどを加えたお酒です。
主にイタリア、フランスをはじめとしたヨーロッパでは食前酒や食後酒として楽しまれています。
日本だと、マティーニやマンハッタンなどのクラシックカクテルには欠かせない材料として重宝されています。
語源としてはベルモットの主原料ハーブのひとつ、ニガヨモギ(ワームウッド)を加えたワイン、ワームウッドワインの言葉が短くなり、ベルモットと呼ばれるようになったともいわれています。
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ニガヨモギのお花
元々私は、このベルモットと呼ばれるジャンルのお酒が大好きで、薬草酒の世界に入りました。
↑私がお酒の世界に入るきっかけになった1本です。
「日本製のベルモットを作りたい。」
創業時から今に至るまで、この想いを温めてきました。
伝統的なぶどう原料でベルモットを仕込む場合は、日本では甘味果実酒の製造免許が必要になります。
弊社でも国産ベルモットを作るために、この免許を取得しようと考え、実際にワインを提供して頂けるワイナリー様ともプロジェクトの話を進めていました。
しかし、弊社で栽培しているハーブ類をワインベースで仕込むと、どうもしっくりこないのです。
そもそも海外のベルモットはワイナリーが製造してるものも多く、日本で同じような商品を自分が作る必要があるのだろうか?とても悩みました。
そんな中、日本の伝統的な薬草酒に目を向けたとき
その多くは味醂を原料に仕込んでいるものが多いということに気づきます。
実際、私自身味淋は料理に使う程度で嗜好品として味わうことはほとんどありませんでした。
日本の多くの薬草酒の仕込み方法を見ると、味醂に漢方や生薬を漬け込み、場合によっては焼酎などで酒精強化しているものがあります。
そしてそれをさらに何年も熟成させている商品もあります。
つまり、これは和製ベルモットであると思いました。
(参考 養命酒の作り方)
何よりも、弊社の酒造場がある金ケ崎町はお米の一大生産地です。「金色の風」というブランド米も生産しています。
せっかく作るなら原料もお米作ったら面白いのではないか。
なにより
私が愛してやまないベルモットが、味醂から作られたらどのような商品ができるのか。
とてもワクワクしました。
日本の伝統的な薬酒の製法に、ベルモットに多く使用されるクラシックなハーブ、そこに自社の和ハーブを加えることで唯一無二の国産ベルモットを作ると決意しました。
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金ケ崎町のお米の様子。
原料をワインではなく、味醂で作る。
まずは味醂を作ることから始めなければなりません。
味醂はもち米から製造されますが
今回、どうしても食用米から味醂を作りたく、九重味醂さまに製造を委託しました。
こちらの会社は食用米から味醂をつくる特許を取得されています。
2023年の9月、収穫したての新米「金色の風」を500キロを九重味醂さまに送り、オリジナル味醂を製造頂き、
今年の5月に、約600ℓの味醂が完成しました。
旨味の乗った甘味と麹の芳醇な香りが鮮烈でした。
ここから味淋と相性の良いスパイスやハーブの選定をするために、20種類以上のスパイス、ハーブを単体で選定
特に相性の良い
シナモン・バニラ・紫蘇・山椒・黒文字
をベースに30種類のハーブ(菊やコブシの枝、キハダの実など)を1ヶ月以上漬け込みました。
度数を18%へ高める為、酒精強化には同じ岩手県のお米で作られる米焼酎を使用しました
。
さらに、味醂は蜂蜜と同じで、甘味がどんどん熟成していきます。
原料を引き出し後、3ヶ月以上熟成させ、甘味と味わいを高め、商品化に至りました
完成した商品は味醂の滑らかな甘みと、いい意味で麹の香りは残しつつ、
スイートベルモットのもつ根っこ系の苦みや菊やバニラのようなの長い余韻が楽しめる一本です。
特にワインベースと大きく違い、味醂ベースだと酸味がなく、もったとした味わいになってしまうので、完熟の梅を少し加え味を引き締めています。
楽しみ方は人それぞれ
個人的にはまずはストレート
次に小さな氷をいれてロックでシンプルな飲み方や。
スピリッツなどと合わせる場合は1:1がお勧めです。
寒い時期ですとお湯割りも良いです。
スプリッツァーやネグローニもぜひ試してほしいです。
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